オトンナが「冬型多肉植物」と呼ばれる理由は、原生地である南アフリカ・西ケープ州が「冬に雨が降り、夏に乾燥する気候」を持ち、その気候に適応して冬に生育する性質を獲得したためです。
本記事では、
- オトンナとはどのような植物か
- なぜ「冬型」なのか
- 原生地・南アフリカ西ケープ州の気候特性
- 東京との気候比較
- 季節による植生や景観の違い
を、公的データと公式資料を基に体系的に解説します。
オトンナとは|冬型多肉植物として知られる南アフリカ原産植物
オトンナ(Othonna属)の基本情報
Othonna は、キク科に属する多肉植物の一属で、塊根や肥大した茎を持つ種が多いことで知られています。
- 主な分布:南アフリカ共和国
- 特徴:塊根形成、落葉性、季節による明確な生育リズム
- 園芸分類:冬型多肉植物
これらの特徴は、原生地の気候条件に強く依存しています。
オトンナが冬型と呼ばれる理由|冬に生育し夏に休眠する生理特性
冬型多肉植物とは何か
「冬型」とは学術用語ではなく園芸上の分類であり、
冬から春にかけて生育し、夏に休眠する植物を指します。
オトンナ属では、
- 秋〜冬:発芽・展葉・生育
- 春:生育の最盛期
- 夏:落葉し休眠
というサイクルが確認されています。
なぜ冬に生育するのか
この生育周期は、原生地の降水パターンと完全に一致しています。
オトンナは「寒さに強いから冬に育つ」のではなく、
「冬に水が得られる環境で進化した結果、冬に生育する」植物です。
オトンナの原生地・南アフリカ西ケープ州の気候|東京との比較
西ケープ州は冬雨型(地中海性)気候
オトンナの主な自生地は、南アフリカ共和国の西ケープ州です。
この地域は地中海性気候(Köppen Csb)に分類されます。
特徴は以下の通りです。
- 冬(5〜9月):降水量が多い
- 夏(10〜3月):高温・乾燥
月別平均気温(代表地点:ケープタウン)
※南アフリカ気象局(SAWS)および気象庁公開データより
| 月 | 西ケープ州(ケープタウン)平均気温 | 東京 平均気温 |
|---|---|---|
| 1月 | 約22℃ | 約5℃ |
| 7月 | 約12℃ | 約26℃ |
👉 日本の「真夏」が、西ケープ州では「真冬」に相当します。
東京との決定的な違い
東京は夏に降水量が多い「夏雨型」気候です。
一方、西ケープ州は冬に雨が集中します。
この違いこそが、
- 日本の植物:夏に成長
- オトンナ:冬に成長
という生育リズムの差を生み出しています。
西ケープ州の季節別(冬・夏)の植生と雨季の風景
冬の西ケープ州|雨季と緑の景観


冬季は前線性降雨により地表が潤い、
フィンボス(Fynbos)と呼ばれる固有植生が活発に生育します。
- 草本・低木が一斉に展葉
- 多肉植物も活動期に入る
- オトンナはこの時期に成長
夏の西ケープ州|乾季と休眠の季節

夏は高温・乾燥が続き、
多くの植物は落葉・休眠状態になります。
- 地上部が枯れたように見える
- 塊根・地下器官で生存
- オトンナも完全休眠
この極端な季節差が、冬型植物の進化を促しました。
まとめ|オトンナが冬型と呼ばれる本当の理由
- オトンナは南アフリカ西ケープ州原産
- 西ケープ州は冬に雨が降る地中海性気候
- 冬に水が得られるため、冬に生育する性質を獲得
- 「冬型」は寒さではなく降水パターン由来の分類
オトンナは「日本の感覚での冬型」ではなく、「南半球・冬雨気候に適応した植物」であることが、本質的な理解につながります。
参考・出典(一次・公的情報)
- South African National Biodiversity Institute (SANBI)
PlantZAfrica – Othonna - Royal Botanic Gardens, Kew
Plants of the World Online – Othonna - South African Weather Service (SAWS)
Climate of the Western Cape - 気象庁
世界の地点別平年値(ケープタウン・東京)


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